『ゾンビランドサガ』が好きすぎて佐賀に移住した男性が語る、佐賀の生活事情
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『ゾンビランドサガ』が好きすぎて佐賀に移住した男性が語る、佐賀の生活事情

誰かに「佐賀に移住しました」と言おうものなら、「なぜ、佐賀に?」とほぼ100%確実に聞き返される。これは、佐賀に移住した人にとってはあるあるです。移住先としてマイナーだと思われがちな佐賀県ですが、その魅力に引き込まれ、移住した人は決して少なくはありません(認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが発表した2019年の移住希望地ランキングで佐賀県は全体8位、20代以下3位、30代5位になっています)。2020年3月に福岡県から佐賀県唐津市へと移住を果たし、現在、介護福祉士として働く田畑さん(36歳)もその一人。田畑さんが移住を心に決めた最大の理由は、佐賀県を舞台にした人気TVアニメ『ゾンビランドサガ』だったとか。そこで田畑さんに、移住の経緯や現在の心境を伺いました。

きっかけは、『ゾンビランドサガ』の聖地巡礼だった


――田畑さんは、『ゾンビランドサガ』が好きすぎて佐賀県唐津市への移住を果たしたそうですが、唐津には以前からよくいらしてたんですか?

田畑 いえ、まったく。僕は福岡出身ですが、唐津は福岡~長崎間の通り道……というイメージが強かったですね。あとはお城があって、独特の町並みがあって……という程度の認識でした。でも、『ゾンビランドサガ』を観たのがきっかけで、「こんなに良い場所があるんだなぁ」と佐賀に興味を持つようになったんです。

――『ゾンビランドサガ』は、ゾンビになった7人の少女らが佐賀県を救うためにアイドルグループとして活動するというストーリーですよね。唐津をはじめとする佐賀の名所が多数出てきます。

田畑 僕自身は、以前からアニメ好きではあったものの、『ゾンビランドサガ』のようなアイドルものはあまり見たことがなくて、どちらかというと『少年ジャンプ』的な男くさいアニメを中心に見ていました。ところが、『ゾンビランドサガ』を見たら、のめり込んでしまって……。「1分1秒でも早く次の展開が知りたい……!」と、毎週、放送時間には絶対にテレビの前に座るようになっていました。

――佐賀に来るきっかけはなんだったんですか?

田畑 きっかけは、『ゾンビランドサガ』第5話に登場した伊万里市に本店がある鶏料理専門店「ドライブイン鳥」ですね。このドライブイン鳥には、僕自身も何度か行ったことがあったのですが、「せっかくだし、またあそこに行ってみようかな」と店へ行ってみたんです。ドライブイン鳥に行って、劇中でフランシュシュのメンバーが食べてた鳥めし、若どり、はちみつ黒酢カルピスを注文して食べました。それがどれも感激するほど美味しくて……。

あと、帰路につく時に「からつバーガー」を食べたのですが、その後の放送で劇中に出てきたときはとても嬉しかったです。何気なく手にとったり食べたりした地のグルメが劇中に出てきたりするのも地域が舞台になってるアニメの魅力なのかなぁ……と。それ以来、メンバーたちがコンサートをした唐津駅近くにある「唐津市ふるさと会館アルピノ」や、「虹の松原」「鏡山展望台」など、作中に出てきた場所を巡るようになりました。

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最終話となる第12話で、メンバーたちが大雪のなかライブを行った、唐津市ふるさと会館アルピノ前にて。

佐賀の人は控え目だけど、地元への思い入れも強い


――聖地巡礼をしていて、おもしろかったことはなんですか?

田畑 一番おもしろかったのは、聖地巡礼を通していろんな交流関係が広がっていったことですね。僕はTwitterをやっているのですが、「唐津に行きます」と行ったら「地元です! 佐賀に来るならここがいいですよ!」などと、いろいろと良い場所を教えてくれる人が非常に多かったんですね。あと、メンバーが住んでいる洋館のモデルとなっている「唐津市歴史民俗資料館」という施設では、年に1回内部が開放されるんですが、そこに来るのはアニメのファンの方が多くて。ファン同士は動きや様子でなんとなくわかるので、「もしかして、ファンの方ですか?」とお互いに話しかけ合って、知り合いになったり。そうやって、次第に地元の方やファンの方と交流が増えていき、月に2~3回は福岡から唐津に足を運ぶようになって、「ここに住みたいな」と強く思うようになったんです。

――ただ佐賀に遊びに行くだけではなく、そこから「住んでみたい」と思うようになった理由は何だったんでしょうか?

田畑 ひとつには、佐賀に住んでいる方から、いろんな佐賀の良いところを教えてもらったからです。佐賀に住んでいる方って、佐賀の良いところを聞くと「いやぁ、佐賀には何もないからね……(笑)」と自虐的には言うものの、佐賀に対する思い入れは強い方が多い。だから、いざ、他県の人間が興味を持って佐賀について聞くと、良いところを教えてくれるんです。作品を越えて、「あそこがいいよ」「これがおいしいよ」といろんな佐賀の良いところを教えていただくにつれて、その魅力に惹かれていきました。

あと、もうひとつは、僕は趣味で自然風景の写真を撮影しているんです。特に、朝焼けや夕焼けでオレンジ色に染まった海面を撮影するのが好きなのですが、佐賀は美しい海に囲まれていて、撮影スポットには困ることがない。その点も魅力でしたね。

田畑さん2

唐津市内にある千鳥橋にて。

仕事探しは転職情報サイトで即決

――そこで、2020年3月に移住されたんですね。決めた後、最初に何をしましたか?

田畑 僕は佐賀のなかでも、唐津に住みたいと思いました。やはり『ゾンビランドサガ』の聖地が多くあるし、実家のある福岡へすぐに行けるアクセスの良さや写真撮影に絶好な自然環境にも恵まれているのもポイントでした。そして、唐津にある「NPO法人NetWorkStationまつろ」という移住支援団体に連絡して、お試し住宅という移住体験に申し込みました。そこでは最大1か月住むことが可能なのですが、生活する中で、家や仕事を探していった感じです。

――移住者として、最大の関心はやはり「仕事探し」だと思います。どうやって仕事を見つけましたか?

田畑 僕の場合は、直前に介護の学校にいって介護福祉士の資格を取得していたので、介護の仕事をしようと思っていたため、「さが就活ナビ」という転職情報サイトを通じてすぐに見つかりました。

――直前に介護の資格を取得されていたのですか!

田畑 実は、以前は自動販売機の管理の仕事をしていたんですが、数年前から「もっと専門性の高い仕事をしたい」と思い、介護福祉士の学校に通っていたんです。学校に通い始めた当初は「自分が福岡から佐賀に移住する」なんて思いもしませんでしたが、たまたま介護福祉士は全国どこでも働ける仕事だったので、新しい土地で、新しい仕事を始めるという転機だったからこそ、タイミングもちょうどよかったのかもしれません。

――慣れない土地で新しい仕事に就くのは、大変ではなかったですか?

田畑 僕は、プライベートは一人で行動するのが大好きなタイプなのですが、だからこそメリハリをつけるために人と接する仕事がしたいなと思っていたので、今の仕事は多くの方と関われて、毎日がとても楽しいです。「介護の仕事は、身体も使うし、大変じゃない?」と言われることも多いんですが、以前働いていた自動販売機の管理は、雨の日も炎天下の日も外で作業する仕事だったので、体力的にかなりハードで……。介護の仕事は冷暖房完備の部屋で働けるだけでも、嬉しいです。

※佐賀県のお仕事情報はこちらから!

気になる家賃や生活費は……?

――家探しはどうしたんでしょうか?

田畑 写真撮影のためにも、海沿いの家に住みたいなと思っていたんです。そこで、お試し移住でお世話になった「NPO法人NetworkStationまつろさん」にご相談したら、そのスタッフさんの紹介で、唐津市呼子町にある加部島という島の海の見える丘にある、2階建て一軒家を紹介してもらいました。費用も駐車場付きで月額3万円という格安の値段で借りられました。毎朝、海を眺めながら、コーヒーを飲んだり、朝の時点で「今日は良い写真が撮影できそうだな」と思ったら、仕事前などにさっと海に行って写真を撮りに行ったりもしています。

――すごく贅沢な時間ですね。生活費など経済面の不安はありませんか?

田畑 経済的な不安はないですね。家賃も安いし、物価も安いです。たとえば、職場の近くには地元でとれた生鮮食品を直売で売る道の駅があるんですが、そこでは大ぶりのカキが袋にパンパンに詰まって1000円くらいで売っています。あと、地場スーパーでも高級食材の佐賀牛®︎が格安で売っていたりと、とにかく何でも安いです。自炊する人ならば、天国ですね。僕もそこまでたくさん料理はする方ではないですが、炒めたり煮込んだりするだけでも十分おいしい。あと、人に良いお店を教えてもらって、外食したりすることもありますが、どこも地のモノを使った安くておいしい店ばかりです。

地方では一度受け入れられれば、よくしてもらえる

――地方の人間関係は大変だと言われることもありますが、そのあたりはどうでしょうか?

田畑 僕が住んでいるところは集落なので、定期的に草刈りや掃除といった地域イベントがあります。こういう仕事は、その土地に住む人間は必ず参加するべきことだと思っているので、僕は率先してやるようにしています。「地域の仕事なんてやりたくない」という方もいると思うので、これは賛否が分かれるでしょうが、僕自身は、地元の義務を率先して果たすことが、移住者が地元の方に受け入れられる一番の近道かなと思います。それに、一度受け入れられてしまえば、よくしてくださる方はすごく多いですよ。僕の場合も、近くに住んでいる区長さんが、「これ、食べな」といって、いちごや金目鯛など食べ物を持ってきてくれます。

――佐賀の人に受け入れられていると感じた具体的なエピソードはありますか?

田畑 先ほども少し触れましたが、佐賀に住んでいる方は、佐賀に関心や敬意を持っている人に対して、とても熱心にアプローチをして、歓迎してくれる印象があります。それは、リアルの人間関係でもそうですし、Twitterなどでも同様です。たとえば「おいしいご飯はどこに行ったら食べられますか?」というような鉄板の質問から「なにか良いクリーニング屋さんはありませんか?」などといった些細な質問まで、尋ねるといろんな人が教えてくれる。そんな暖かさのある人が多いのも、佐賀の魅力だなと思います。

――では、現在移住してほぼ1年が経っていますが、その感想としてはいかがでしょうか。

田畑 僕としては、移住して大満足です。最初は『ゾンビランドサガ』きっかけではありましたが、佐賀は食べ物や景色、人などたくさんの魅力がある。多くの人が気付いていないこの魅力をもっと深堀りしていきたいと思うので、骨を埋める覚悟で、今後もずっと住み続けていきたいですね。

――最後に、今後の抱負を教えてください。

田畑 いま、僕は唐津市呼子町にある加部島というところに住んでいるのですが、この島は海に囲まれてのどかなすごく良い島です。この島を盛り上げるために、もっと何かできないかなと思っています。僕はコーヒーが大好きなんですが、加部島のすばらしい風景を見ながら飲むコーヒーは本当に絶品です。いつかこの加部島でコーヒーを出すカフェができたら、というのがひそかな野望です。あと、今年4月に『ゾンビランドサガ』の続編『ゾンビランドサガリベンジ』が始まるので、とにかくそれが楽しみです! 初回放送日は万全の体制で臨むために、なんとかして職場から休みを取ろうと画策してます……(笑)。

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推しメンである「伝説の昭和のアイドル・紺野純子」と共に。

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